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業者側のリスクは?     



少額訴訟詐欺は、詐欺師にしてみれば、被害者が何の抵抗もしなければ「合法的」にお金を騙し取れる確実性があるメリットがありますが、自らの身をさらけ出す事にもなり、逆に自らが訴えられるデメリットもあります。
悪質業者は、被害者側が裁判沙汰は不安だから出頭しなかったり、面倒だから無視したりする事を予想してこの詐欺行為を行うわけですが、その予想が外れた場合、リスクを背負うことにもなります。
事実、被告側が逆に業者側を訴えたケースもあるので、それを紹介します。


2004年3月、20代男性会社員のAさんの元へ、某出会い系サイト業者から「サイトの利用料等約26万円を請求する。支払わない場合、詐欺罪で訴える。」という内容の書面が届きました。Aさんは身に覚えの無い事だったので放っておきましたが、一ヵ月後に、大阪簡易裁判所から「有料サイトの登録料を支払ってないので3万円、無断で携帯電話の番号を変更したなど規約違反罰則金として5万、更に、Aさんと連絡が取れなくなり、その為調査会社に依頼したのでその調査費用6万3千円計143000円を請求する。」という内容の訴状が届きました。
Aさんは警察、消費者センター、弁護士会に相談へ行き、そこである弁護士と出会います。その弁護士は、少額訴訟詐欺の問題に取り組んでいる人であり、Aさんにこの事件の弁護をさせてくれるよう頼み、Aさんは彼らに弁護を依頼し、その後18名の弁護団が結成されました。

Aさんと弁護団は大阪簡易裁判所から、東京地方裁判所への移送を申し立てます。(すなわち、少額訴訟裁判ではなく、正式な民事裁判で争う事にした訳です。)慌てた業者側は、訴訟を取り下げますが、Aさん側はこれを認めず、移送は認められ、裁判は継続されます。
更にAさん側は、業者側に対し「架空請求に対する慰謝料」として110万、更に、業者側の依頼した「調査会社」に対しプライバシーの侵害を理由として損害賠償110万の請求をする反訴を起こしました。
その後の裁判の経過は、結局業者側は裁判に出廷せず、判決は、業者側の請求はAさんがサイトを利用した証拠が無いとされ棄却され、Aさん側の起こした反訴の方は、架空請求の慰謝料として30万、弁護士費用10万、計40万を業者側に支払うよう命じる判決となりました。(調査会社に対するプライバシー侵害を理由とした損害賠償請求の件は触れられず、また、本訴反訴含めての訴訟費用は業者側が負担する事となりました。)


このように、少額訴訟詐欺は、被害者側が堂々と立ち向かえば、業者側が痛手を被る事が明らかであり、この詐欺行為を企む悪質業者も、この事例を知れば考えを改めるでしょう。しかし、この手口はまだ新しい手口であり、また次々と新たな詐欺手口を考える悪質業者が出てくることも十分考えられますので、油断は禁物です。

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